プレツアー第3弾テーマは「暦」

2013年8月21日 toyoda Tag : , ,

プレツアー第3弾テーマは「暦」

猛暑日続きの夏、めずらしく朝から雷ゴ〜ロゴロの日曜日。くしくも今回のプレツアー、メインは雷山観音さま!
うむむ、これは神様が歓迎してくれているのかもしれん。
今回はアートインレジデンスで滞在中のナイジェルベネットさんのリクエストにより「暦」をテーマに郷土歴史家、有田氏にコーディネイトしていただきました。

当初は「レキ?」「コヨミ?」とスタッフ顔を見合わせておりましたが、糸島の若き長老、郷土歴史家、有田氏の手にかかれば、それは見事なlook for itoshima’s ancient “calender”な旅となるのです。
ではその模様をロングスクロールでお送りいたします。

 

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雨が小康状態になるのを待ち、いざ出発!まずは「平原弥生古墳」へ。
平原遺跡へ足を踏み入れる頃には雨が落ち着き一安心、と思いきや、今回の参加メンバーつむぎちゃん(7才/おてんば)が、
あ、雷!と指差した先を見ると雲から雲へ稲光が走る姿。

恐いけどこんなにはっきり雷の姿を見たのは初めてかも!これも山深い糸島ならではなのかもしれません。

平原王墓は、今から約1800年前の伊都国王に関係する墓と考えられ、様々な種類の「鏡」が出土した場所でもあり、中でも国内最大の「内行花文鏡」は国宝にも指定されています。

そう、ここがまさに古代国家、伊都国を象徴する場所。
東の高祖山からの日の出をもとに農暦を観測する場所でもあったと考えられ、皆の背後にある陶板には、ここから出土した鏡の種類が記されています。

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こんなにも沢山の種類の「鏡」があったとは!みんな、感心しきりです。

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そしてお墓とそこからのぞむ里山。天気がよければ向こうに陽を見る事ができたのでしょうか。
約2000年の歴史を持つ糸島。かつて古代国家「伊都国」が存在し、海を挟んで朝鮮半島や中国大陸と近く、古来から大陸の窓口として繁栄してきました。
そんな伊都国王は、この場所から天候を読み取って農暦を築き、人々の生活を見守っていたそうです。

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若き長老、有田氏(将来の夢/二丈岳城の再築城)に質問するナイジェルさん(新婚/滞在中、深江神社で挙式)

ナイジェルさん、おもむろに今回の地図と山を重ねて、撮影開始。

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今回のツアーアテンド、森泉さん(名字です!)がナイジェルさんの創作をサポート中。

 

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さて、どんな作品ができるのでしょう(わくわく)

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今回の旅は先日、個展を開いたアランさん(弱点/娘)も一緒です。
奥さんが日本人、娘さんがマンガアーティストのアランさんの作品は日本テイスト満載。この時は翌日帰国、というタイミングでの参加が実現しました。個展が終わった後でもフォトショップで深江神社にある絵巻物を再現されていたりと、ベテランにしてなお、その創作意欲に感服です。

そんな日本の伝統文化に興味を持つアランさん、今回の旅では寡黙ながらも堪能されたようです。

アランさんのHP → http://alancernak.com/

そして昨年、糸島で個展を開いたNigel Bennet(ナイジェルベネット)さんは今年も糸島で作品を発表することになり、今回のプレツアーが企画されることとなりました。
ナイジェルさんはイギリスの写真家。
元々ドキュメンタリー出身でしたが、現在はドキュメンタリーの手法をポートフォリオに落とし込む、といった作風で市井の人達の内面に迫った作風が印象深い作家です。

ナイジェルさんHP → http://www.nigelbennet.com/

 

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今回予定には無かったのですが、お天気具合も有り急遽場所を移動。 伊都国歴史博物館へ。

国宝でもある「平原王墓」遺跡の模型を前にボランティアスタッフさんの説明を受けます。
巨大な鏡や剣などの副葬品もしっかり再現されていて、先ほどまで目にしていた「平原王墓」がぐっと立体感を増します。
平原王は出土品より女性だった可能性があるそうです。

国内最大の銅鏡であり国宝の「内行花文鏡」も展示されており、そこに記されている文字や動物の絵柄がなんなのかあーだ、こーだと興味津津の一同。結局まだまだ謎の部分も多い古代の伊都国。

それにしても、館内を巡り、ガイドさんのお話を聞くと弥生時代からすでに国を形成していたとされる今の糸島という土地の豊かさが伝わります。
ちなみに糸島と呼ばれるようになったのは明治になってからだそう。
魏志倭人伝で確認できた「伊都国」から始まり、奈良時代以降に→「怡土」→「志摩」そして「糸島」となります。

伊都国の魅力を十二分に体感できる施設となっている博物館。個人的には「発掘」への情熱漂うポスターなどを目にし、なんだか妙な親近感を感じました。
※館内での写真撮影は原則禁止となっております。今回、展示品に直接カメラを向けないという条件で許可をいただきました。

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伊都国王は、中国大陸より渡って来た稲作や朝鮮半島との貿易などにより強大な権力を持ちました。日本国家始まりの場所とも言われています。この国王の墓を観測点とし、伊都国を囲む山々の稜線を目安に季節ごとの朝日のズレを読み、暦にしたのだそうです。

それにしてもボランティアガイドさんの博学さに感服。歴史や遺跡、糸島への情熱が伝わってきますね~。
こうして地元の方と出会えるのも、糸芸ツアーならでは。

館内は他に伊都国クイズコーナーや内行花文鏡パズル(!)などもあり楽しく学べるスペースが沢山あります。
ナイジェルさんやアランさんも挑戦してました。

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通路には無造作に、ずらりと並んだ甕棺。それに見入るアランさん。これは昔のGrave(墓)ですよ、と教えると、小さ過ぎる。。。とつぶやいていました。

ちなみにアランさん、博物館を気に行ったのか、ひとりはぐれて館内を散策し、ちょっと迷子になっていました。

さて、いよいよ雷山千如寺大悲大院へと向かいます。
雷山はその名の通り、雷神をまつる場所です。
山頂付近より上宮、中宮、下宮と山中には300もの僧坊があったと伝えられ、現在は、千如寺とかつての中宮跡にある雷神社が残っています。
その後、様々な遍歴を重ね、江戸時代には福岡藩主黒田継高公により現在の大悲大院が建立され、明治の神仏分離令に伴い、今の形になったそうです。

※詳しい解説はこちらを参照 → 雷神の鎮座する山

秋は紅葉スポットとしても大変有名な場所です。

 

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まずは大迫力の本尊の十一面千手千眼観音を御開帳いただき、ご挨拶。祈祷、拝観していただきます。十一面千手千眼観音の仏頭に十一面を抱え、背後にある千手は、良〜く見ると手のひらに目があります。ものすごく荘厳な雰囲気。小雨がちではありましたが今年の猛暑はどこえやら、体感温度はひんやりとし、肌寒くすらありました。 ※撮影禁止なため写真でご覧いただけないのが残念です。

十一面千手千眼観音の前でご祈祷を受けた一行は五百羅漢像へと進みます。
先ほどと雰囲気ががらりと変わり、五百体もの愛嬌あふれる仏像に一同ほっと一息。同じ物がひとつもない仏像には見入ってしまいます。
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つむぎちゃん(特技、即興ダンス/7才)と牧園くん(映像作家/30才)が仏像ポージングクイズで盛り上がっております。こんな風に時を超え、世代を超えて愛されることとなるなんて当時の職人はどんな気持ちでしょうか。
ちなみにひとつとして同じ姿のないとされる五百羅漢、自分に似ているものが見つけられる、とも言われているそうですよ。

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この愛嬌溢れる姿!ここにいると自然と笑みが浮かびます。

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奥には芥屋の大門に通じる風穴があります。

そして知る人ぞ知る雷山古道を抜け、上に登ると雷(いかづち)神社が現れます。

IMG_4426_largeP1020841もともとはこの神社正面右にある広い空き地に観音堂があり、現在千如寺にある千手千眼観音や仏像が安置されていました。

そして神社を行き過ぎたその先に、な、なんと
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ダチョウ!!
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わかりますか?向こうに小さくダチョウ小屋があるのが。
雨上がりの山道を歩き疲れた一行のテンションも復活の光景。

まだまだ糸島の知らない場所がたくさんなるな〜と今回、飛び入り参加の糸島市観光協会、松田さん(ラッキーカラー/ショッキングピンク)

解散頃には雨も上がり、おとぎの国を一巡りしたような、そんな不思議なトリップツアーとなりました。

さて今回の旅のオーナー、ナイジェルさんが8/24(土)から開催されるOpen Kuraにて個展があります。

Nigel Bennet(ナイジェル・ベネット/UK・USA)

1975年、イギリス・ロンドン出身。教師であったイギリス人の父、アーティストであるアメリカ人の母を持つため、イギリス・アメリカ双方2つの国籍を持つ。

ロンドン大学・東洋アフリカ研究科を首席で卒業。のち世界中を巡り、さまざまな文化に触れながら、元々興味があった写真に傾倒、写真という手段を通じたアーティストを志す。

インドやタイなど東アジアを中心とし、さまざまなプロジェクトをみずから企画・敢行。特にタイについては造詣が深く、急激に変わりゆく政治的側面と民衆の心理間の関係をドラマチックに描いた「Silence Has An Echo(2010)」は高い評価を得て、ヨーロッパを中心に世界中で展示された。

ドキュメンタリーとフィクション、歴史や神話、誠実さと策略の間…など、いわゆる灰色の領域に焦点を当て、自身と他人をよりよく理解したいという願望から作品を制作、各国における社会が持つ、既成概念に隠された日常を、写真という表現を通じて暴いていこうとする個性的なアーティストである。

2012年9月、初来日。そして今年7月、再来日。
長い間、興味があった日本に対し、初の日本滞在がまして東京ではなく、そして福岡でもなく、まさに糸島であったことに運命的な面を感じていると語り、現在、糸島に住む人々に関するプロジェクト「白露~糸島滞在歴」http://www.hakuro.net/を進めている最中である。
※現在(レジデンス・イン・アーティストのプロジェクト以外は)、イタリア・ローマ在住。

ナイジェルさんがこだわった「暦」と「糸島」、今回のツアーがどのように生かされているのか楽しみです。

この今週末開催の糸島二丈地区で行われるグループアート展では今回ツアーに参加した牧園君の作品やStudio Kuraのスタッフなどの作品も展示予定です。
残暑がまだまだ厳しい夕べに、ワインやビール片手にアートを目当てに散歩なんていかがでしょう。

ここまでロングスクロールでご覧いただいた皆様、大変ありがとうごございました。
今回の旅で、私たちが考えるツアーがだいぶん形になったような気がします。

糸島を訪れたアーティストの創作へのオーダーメイドな旅であり、同じものがないツアー。でもそれだけじゃ治まりきれない立体的な糸島を巡るトリップ。
時をまたぎ、世代を超え、偶然の重なりでこの国を訪れることとなったアーティスト達と共に、糸島という土地を彷徨い歩く旅。時に山道もわしわしと歩く旅。
糸島がひとつのミュージアムであり、タイムカプセルであり、生きた民俗資料であり、音とぬくもりを持った生きのもでもあるということを、このプレツアーを重ねるたびに実感しているところです。
糸島という大地の中を旅する、その地とともにどこぞに「トリップ」してしまうようなツアーなのです。
でもいわゆる一般的にイメージするようなツアーとは違うとことが今回、わかったような気がします。

時代をまたぎ、時代を守り、受け継ぐ人たちの、糸島を楽しんでいる地元の人々の話を聞く。たまにダチョウなんぞにも出会う、そんな糸芸ならではの旅にしたい。

そして今後の課題としてはこのツアーにしっくり来るネーミングを思いつくことですね〜。

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